「以上のことから警察は事件と断定したそうです。そしてもうお気づきでしょうが、本日は由梨さんと麻梨さんの合同のお通夜となります。では、式場に入りましょう」


傘をさすほどではない小雨が降り始めた中、通夜会場の裏手に集められた2年A組の生徒は、小声で話す山崎先生からの話を聞かされた。


この数日で先生は急に老け込んだというか、やつれているように見える。

眠っていないのか、目の下のくまが色濃く出ているし、いつもは1本の髪の毛さえも余すことなくキッチリとまとめてある髪は、ピンで抑えられてはいるけれど後れ毛が垂れていてまとまりきれてはいない。


「あの人、めっちゃ老けたね。まぁたった数日で可愛がっている生徒が二人も死んじゃったら仕方ないよね」


奈穂実も気がついていたようで、式場に入る先生の後ろ姿を哀れむように見つめていた。