「いいよ」 やっと理久は頭を掻きながら答える。 「夢中にさせてやるよ。オレの好きな音楽に」 自分でもわかるくらい、口元が緩む。 単純に嬉しくて、本当に幸せ。 「あ。笑った」 「わ、笑ってなんか……っ」 「可愛い」 「うるさい」 あたしの目に映る激しい雨はまるで宝石が降っているかのようにキラキラしている。 雨音は、グラスの中の氷を掻き混ぜる時のように優しい音を奏でている。 夏はもうすぐ。 あたしは初めて、 世界の音の美しさを知った。 ――END――