声をかけられても、あたしはあくまで“専属スタイリスト”という軸をぶらさなかった。


それに幸い、周りにはスタッフもいて、プライベートな話ができる状況でもなかったし。



そんなとき、ある人から声をかけられた。


「…環奈ちゃん、大丈夫…?」


それは、ETOILEのジョウさんだった。


あたしたちが付き合っていることを、唯一知っている人物。


「大…丈夫…です」