「花っ!」



花が俯いて座っている隣には後輩が背中をさすっていた



「あ、咲良先輩…」



「うん、駿と樹から話は聞いた。ちょっと2人にしてもらえるかな。」




「はい。」



そう言って、花と2人きりにしてもらう



花は俯いたまま言った



「ごめん、約束守れなかった……」



「約束なんて気にしないで。それに本当の目標は中体連でのベスト16でしょ?
 今回はそれを有利にするためだから」




「でも…」



とようやく花は顔をあげた




「花らしくないよ?あたしずっと花に憧れてたのに、今の花のことは憧れないな」




「え?」



あたしはニヤリとして言った





「いつもはかっこいのに、今の花全然かっこよくない。むしろダサいかな。」




「ちょ、ちょっと…!」




「なんか、そんなメソメソしてる花逆に気持ち悪いかも」



「咲良!それ、仮にも落ち込んでるあたしに言うの!?」



そう怒ってくる花



よし…!



「はい、それ!」



あたしは人差し指を花の方へと向けた



「花はそうやってあたしに対してガツガツ来ないと花らしくないよ?いつもの花なら負けても『次は絶対に勝つ!』とか『もっと強くなって見返してやる!』とか強気で行くくせに」




「・・・」



「花は花でいてよね。あたしの憧れの存在なんだから。負けても這い上がってくるのが花なんだから。」