「行くなっ!」



え?



「なんで……?」




なんで、『行くな』なんて言うの?




後輩が慰めてるのに親友のあたしには行かせてくれないの?




怒りの気持ちと不思議に思ういもちで胸が一杯だった




今すぐにでも花の隣に行きたい



花の話を聞いてあげたいのに……






「今行って、咲良は花に何をしてあげられる?」




「そんなの、慰めてあげるに決まってるじゃん!
 隣に居て話を————」




「それが本当に花の気持ちを考えてやった行動か?」





「え……?」





花の本当の気持ち…?



あたしには駿が何を話しているのかがわからなかった





「咲良はベスト16に入ることができた。花が悲しんでるのはベスト16に入れなかったことだ。目の前に目標を掴んだやつが居る。そいつに慰められても、アンタに何が分かるのって言われておしまいだ。今の咲良が花に何を言っても嫌味に聞こえるだけだぞ。」





その通りだ…




実際、花はプライドが高い




あたしが何を言っても嫌味に聞こえるのは間違いないだろう




でも———





「大丈夫。あたしならなんとかできるから。」




真っ直ぐ駿の目を見ていった