「女子 〇〇中学校 柏咲良さん 24番コートに入って下さい。繰り返します———」




アナウンスで呼ばれた



あー…どうしよう…




緊張してた




この試合で勝つことができればベスト16





大丈夫だ!





今まで一生懸命練習してきたんだもん





「咲良、頑張ってね」



肩を叩かれて言われたので振り向いてみると親友の椎名花(シイナハナ)がいた




「ありがと、ベスト16絶対に入ろうね」




「うん。私ももうすぐ試合呼ばれると思うから。
 それで勝って、2人でベスト16入ろうね」




「うん!じゃあ、行ってくる!」





そう言って、2階の待機場所から1階の体育館へと向かった





1階へと向かう階段を通った時




「咲良、お疲れ。」





男子部長で同じクラスの柊駿(ヒイラギシュン)とすれ違った





「あ、駿もお疲れ様。勝ったの?」





「勝ったよ。自信なかったけど…」




はぁ・・・・



またネガティブ発言かよ




「どうせ、ストレート勝ちでしょ?自信ないとか言っときながら余裕じゃん。
 それに優勝目指してるくせに!」




心のなかで「そうだそうだ!」と言いながら言ってやった



「俺なんかが優勝できるはず……」




あー!!もう!!




「『俺なんかが』って言わないの!!
 じゃあ、あたし試合してくるから応援してね」




駿と離してたらネガティブ思考が移りそうになるよ・・・・




そう考えていると突然





——ポンッ




「ああ、頑張れよ」





駿があたしの頭に手をおいて、笑顔でそう言って待機場所へと行ってしまった




え?




思考が停止してしまう




頭に手を置かれた……?




そう意識すると段々と顔に熱が集まってきた




「っ〜……////」





一人で熱くなっていると




「女子 〇〇中学校 柏咲良さん 至急24番コートに入って下さい。2回めのコールです」



注意のアナウンスが聞こえてきた




「あっ!!やっば!!」




照れてる場合じゃないでしょーが!!




そう思って急いで24番コートへと向かった