「うるっさっ……
 耳元でさけぶなよっ」



駿がぼそっとつぶやいた




「だって、だって花が負けちゃった相手だよ!
やばくない!?」




「咲良、地味に傷をえぐらないでよ…」




「あ、ごめん」




落ち込んでる花に一言謝った




でもさ、そんな相手との試合なんて・・・








「さすがの咲良でもポジティブ考えれないな」




「いつもみたいに『負けるって思ってたら負けるんだよ!だから、諦めないの!』とは言えないね」




「だな。俺だったら自分より明らかに強いやつが来たら諦めるな」




「それは、駿がネガティブ思考だから」




「は?それは関係ないだろ!







・・・・って、咲良何でそんなに笑顔なんだ?」





3人が話している横で一人笑顔でいた 



もう、笑わずにはいられないよ!






「だってさ、そんな強い人と戦えるんだよ!!」



3人に向かって笑顔で言った



嬉しくて仕方がないんだもん!






「「「は?」」」




めっちゃマヌケな顔をしてますよ、3人共



あたし、そんな変なこと言いました!?






「そんな強い人の試合を試合相手っていう特等席で見れるんだよ!最高じゃん!どうやって打ってるかとかめっちゃ見れるし!」





そうでしょ!



特等席だよ?



それにクラブチームの人の打ち方だから、ちゃんと綺麗だろうし参考になる






「負けても、この試合で良いことを絶対に吸収できるから楽しみ♪」




笑顔で自身満々に言ってやった!




「「「はぁ……」」」



いきなり溜息を突き出す3人




「え?みんなどうした?」




そんなに落ち込むことでもあった?






「心配した俺がバカだった……」




「ああ、数分前の俺がどうかしてた……」




「やっぱり、咲良は咲良だね。」





3人とも何言ってるの?



え?





わけがわからないでいると、花が言ってくれた




「まあ、頑張ってね。たくさん吸収してきてっ!」






なんか、流された気がする……



けど、



ま、いっか!!





「うん!頑張ってくる!」







『女子 〇〇中学校 柏咲良さん 20番コートに入って下さい。繰り返します———』





「お、ちょうどいいな、頑張ってこい!」




「うん!」



———パンッ





樹とハイタッチをし、自分の荷物のところにむかった