「あ、そういえば、さっきはありがと」






さっきってなんだ?




俺が理解出来ていないことがわかったのか




「花のところに行こうとした時アドバイスくれたこと」




あー、そのことね



あれはお前のことを思っていたんだよ



咲良と花の仲が壊れて咲良が落ち込まないように



「駿に言われなかったら、花と今みたいにはなせてなかったかも。喧嘩してたかもしれないからさ。ありがとね」




樹と花が楽しそうに話してる所見つめている咲良




「いや、全然。役に立ててよかったよ。でも、お前なんて言ったんだ?」



慰めるなっていったけど、どうやったんだ?





『大丈夫。あたしならなんとかできるから』



なんて言ってたけど……





「いや、ただ落ち込んでる花はかっこ悪い、ダサい、そんなに花がいつもと違いすぎて気持ち悪いって言った。」




おいおい、それ泣いてるやつに言うかよ?



落ち込んでるやつに言う言葉かよ?




「お前、そんなこと言ったの?」



「え?うん。だって、慰めるなっていったじゃん。」



不思議そうな顔でこちらを見る咲良



いやこっちが、謎なんですけど……





「言ったけどもね。まさか、叱るとはおもってないじゃん」




「叱ったけど、花なら這い上がってくるべき、それがあたしの憧れてる花だからってちゃんと言ったよ?叱っただけじゃないからね!?」





そういうことか



プライドの高い椎名には確かにそれが一番良いのかも知れないな






俺には出来ないや



流石だ



前の部長が咲良のことを部長に選んだ理由が分かる気がする




一番強いわけでもない咲良を選んだ理由が





「お疲れ様。さすがだよ」




「えへへ、ありがと」




そう満面の笑みで言い返された




「っ……!」



その笑顔は反則だろーが……




そんなんじゃ、彼氏居るって聞いても諦められてねーよ