「で、誰なの?」



俺が聞きたくないことをズバズバと花は更に質問していく



聞きたくないが、知りたい……



そんな欲望に負けて耳を傾けてしまう





「幼馴染。東京に居るから花たちの知らない人」



幼馴染なのか……




「え、咲良って昔東京に住んでたの?」




「あー……うん。でも小さい頃ね。中学からこっちに来た」




あ、一瞬だけど咲良の表情が暗くなった



昔、東京でなにかあったのか?



でも、聞いちゃダメな気がした



咲良が一番聞いてほしくない事なんだろうなと思った






「東京いいなぁ〜。東京ってさ、色々あるじゃん。一回でいいから行ってみたい!」



「え、お前行ったこと無いの?」



「そうですよー。北海道から出たことなんてありませんからっ!」



「まじか〜、超損してるわー」



と話し出す花と樹




その会話を聞いて



「そんなこと無いよ……」



小さく咲良が囁いたのが聞こえてきた








さっきの仮設が本当のようなきがしてきた



「咲良?どうかしたか?」



そう聞いてた




「そんなことないよっ!大丈夫大丈夫!」




無理やり笑顔作って言うなよ…



そう思って、咲良のほっぺもむにっとつまんでやる




「へっ?」



驚いた顔をする咲良



「無理に笑うな。そんな笑顔似合わないからさ。咲良には心からの笑顔が一番似合うよ」



そう言って手を話した



すると、りんごみたいに真っ赤になる咲良




それって、期待してもいいってこと?







でも、俺なんかがなぁ



やっぱ咲良には幼馴染の彼氏がお似合いなのかな?