「お前も相変わらずだな」
「相変わらず?」
「凛音を溺愛してるとこだよ」
「で、溺愛とか……」
「お前がテレてんじゃねぇよ」
「いたっ」
コツンと頭を小突かれて、キッと中田を睨みつける。
「――大丈夫だったのか?」
文句の一つでも言ってやろうと思った時、十夜が静かに割って入ってきた。
仕方ないから口を噤み、十夜へと視線を移す。
すると、目に入ってきた十夜は本当に心配していたのかと疑いたくなるほどの無表情で。
『ほんとに心配してんの?』とツッコんでしまいそうになった。
「ハッ。同じこと聞いてんじゃねぇよ。見てのとおり元気だよ」


