声が確実に届く距離まで来たところで力一杯中田に呼びかけると、気だるそうに振り向いてきた。


その気だるそうなのもほんの一瞬のことで、あたしの姿を捉えるなりギョッとした顔で驚きの声を上げた中田。



「久しぶり~!元気にしてた~?」



近寄るなり中田の肩をバシンと思い切り叩いて、再会のご挨拶。



「いてっ。つーか、お前、なんでこんなとこにいんだよ!?」


あたしが急に現れたせいなのか、動揺を隠し切れない様子。


そりゃそうだよね。突然現れたらあたしでも同じリアクションするし。



「偶然だよ、偶然!車で走ってたら歩いてる中田見つけてさ」

「は?そんな偶然あんのかよ」

「あったからここにいる!」

「……あいかわらずだな、お前」



フッと笑みを零す中田にあたしもつられて笑みが零れる。