あたしが突然叫んだもんだから、「えっ!?止まるの!?」と慌てながらも安全に側道へと寄ってくれた壱さん。


「凛音、どしたの?」

「りっちゃん、突然びっくりしたんだけど!」



どうやら十夜たちは気づかなかったらしく、目を真ん丸にしてあたしを見てくる。


そんなみんなに、


「中田!中田がいたの!」


と言いながら後ろを振り返り、こちらに背を向けて歩いている男の人を「ほら!」と指さした。



「はぁ?中田?」

「って、あの中田?」

「そう!あの中田!」

「え~マジかよ~」

「りっちゃん目良すぎじゃねぇ?」



そう言いながらみんな目を細めて確認しようとするけれど、背中を向けて歩いてるから確認出来るわけがなく。

みんな、疑いの目を向けてくる。