「あたし、“後ろ盾”なんかいらないぐらい立派な総長になってみせるから!そのためには、これからどんどん喧嘩に参加しなきゃね!」


十夜と手を繋いだままスクッと立ち上がり、反対の手で握りこぶしを作る。

その握り拳を見てたら、なんだかテンションが上がってきた!

みんなの為にも、他のチームに舐められないように気合い入れなきゃ!!


握った拳を見つめたまま、グッと力を込めて構える。


よーし!気合い入れよう!


「エイエイオー! ほらっ、陽と彼方も!」

「えっ」

「俺らも?」

「はい、せーの!」

「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」



三人揃っての掛け声が綺麗に決まり、大満足のあたし。

やっぱチーム力は大切だよね。








「……アイツ、俺らがなに心配してるか分かってねーだろ」

「あはは。凛音ちゃんだからね。まぁ、あれだけ気合い入れてたら大丈夫でしょ」

「そうか?俺は不安しかねぇけどな。十夜、どーすんだよアレ」

「はぁ……」



能天気なあたしは、三人がそんな会話をしていたなんて全く気付いてなく。

いつものように陽と彼方を巻き込んで、必死になって総長になるための気合いを入れていた。