あんなにも馬鹿にしてたくせに、彼方が暴露した途端うろたえ始める煌。

意外すぎて再度煌へと視線を戻せば、目が合った瞬間顔をそらされてしまった。



「ったく、煌も素直じゃねーよなー」

「……うっせ」


顔を隠そうと思ってそっぽを向いたんだろうけど、完全には隠しきれてなくて。頬と耳がほんのり赤くなっている。


なんだかんだで心配性なんだよねー煌は。

ヘタしたら十夜や壱さんより心配性かもしれない。



「ほんとママは素直じゃないんだからー」


まぁ、だから“ママ”なんだけどね。



「だーから、俺はお前のママじゃねーっつってんだろ!」

「そんなこと言って嬉しいくせに」

「嬉しくねーよ!」

「ね、十夜」

「……」



十夜も素直じゃないもんね、という意味を込めてふふっと意味深に笑えば、煌と同じくそっぽを向いてしまった。

ほんと、うちのトップ二人は照れ屋なんだから。



「十夜、ありがとね」


煌も。

と付け足せば、ちらっと横目でこっちを見てくる二人。

けど、返事はしてくれなくて。

その代わりに、十夜はテーブルの下でそっと手を握ってくれた。