姫様と魔法のキス



「ニカ様、今日は一段とご機嫌ですね」

「ふふふ、トミーにも分かっちゃう?」

「ええ。ニカ様とは何年一緒にいると思ってるんですか」


いつも通り堂々と正門から城に帰って来たニカは、寝転んでは汚れ走っては乱れた髪と服を、侍女と共に整えていた。


「素敵な人に会ったの!動物とお話出来るのよ」

「動物と…それはすごいですね!そのお方の魔法なのでしょうか?」

「多分そうなんじゃないかしら?また今度会うって約束したから、聞いてみるわ」


次に会う時を楽しみに、うきうきと心を弾ませるニカ。

自分が仕える姫の楽しそうな姿にトミーも嬉しそうに目尻を下げた。