アロガン達はドヴァー国へと一旦帰国するとのことで、ニカ達は彼らを見送る。
次に会うときは婚約パーティーになるだろうと約束をし、重いドレスを脱ごうと自室へと向かうと、トミーが笑顔で待ち構えていた。
「ニカ様!お疲れ様でございます。
アロガン様とニカ様がご一緒に歩いている姿を拝見した侍女たちがとてもお似合いだったと騒いでおりましたよ」
金の髪をなびかせ青の瞳を輝かせるニカの隣には、相応の美しさを持つ人が相応しいと考えている侍女たち。
その基準で言えば、サラサラとした金の髪に翡翠の瞳を持つアロガンは十分であったのだ。
「ねぇ、トミーから見てアロガンはどう?」
「ニカ様が取られると思うと癪ではありますが、お優しそうですし、噂ではニカ様に一目惚れしてこの度に至ったと言うことで、見る目はあるのではないかと考えております」
「そう…」
トミーの話を聞き、アロガンのことを考えるものの、やはり何か納得のいかないニカは悶々としていた。
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