そこから暫くたわいもない話が続き、政治的話になった所でニカとアロガンは2人でお話するようにと部屋を出される。
急に2人きりになり放り出されたニカは、当然戸惑っていた。
「ニカ様」
「っ!な、なんでございますか?」
「ニカ様のお気に入りの場所などはございますか?」
行く場所に困っていた所をフォローするように、アロガンがニカに尋ねる。
真っ先に思い浮かんだのはあの森だが、城の外に連れて行くのはまずいと考え直したニカは、城の中にあるお気に入りの場所へとアロガンを誘導した。
「ここが、私のお気に入りでございます」
薄く水が敷かれている広場にて、水に濡れないよう少しだけ上がっているタイルを歩いていけば小さな茶室があった。
城から脱走出来ない時には、ニカは大抵自室かこの茶室へと足を運んでいた。
「とても幻想的ですね…。日の光を浴びて輝く水がとても綺麗だ」
アロガンの言う通り、茶室の窓から見えるのはキラキラと光を浴びて輝く水だ。
流れる水の音は心を洗うようで、ニカはこの音も好きだったりする。
軽くお茶菓子をつまみながら2人して外を眺めていれば、唐突にアロガンがニカの方を向いた。
.


