ふっと目を覚ましたレゼは天井をぼんやりとしたまま眺める。
そして、意識を失う前にニカがいたことを思い出したレゼは慌てて上体をベッドから起こして周りを見渡した。
「……ニカ…?」
「レゼ!もう大丈夫?」
動物たちが持ってきてくれた果物を、持っていた護身用の短刀で食べやすいように切っていたニカはそれらを置いてレゼの元へと近づく。
そしてレゼのいるベッドの横に腰掛けるとジッとレゼの様子を伺った。
「ニカが看病してくれたんだよね?ありがと」
「え、うん、全然!元気になって良かった!」
見違える程軽くなった体にレゼがお礼を言えば、何故か目を泳がしながら答えたニカ。
その姿を不審に思ったレゼは、眉間に皺を寄せてニカをジッと見つめ、かと思えば折角落ち着いたはずの熱がある意味また一気に上昇し、耳まで赤く染めた。
「……っ、ニカ。ニカの魔法って…」
「えっ、あっ、もしかして意識あったの!?」
頬を染めたレゼにつられてニカの頬も一気に赤くなる。
そして、パタパタと上昇した体温を手で冷ますように仰ぎ、かと思えば仰いでいた手をグッと握りしめレゼの赤い目をジッと見た。


