私立星空学園。

ここは、お嬢様学校としてとても有名なところだった。

偏差値70以上、礼儀、美しさ、これら3つの力が備わった娘だけが入れるという格式高い高校である。


「ねぇねぇ、ここって星空学園だったっけ?確かお嬢様ばっかり集う学校。」


「そうそう。ほら、建物も綺麗でさ、この学園からは毎年すごい数のT大合格者出してんの。ただでさえT大とかなんて、女子少ないのにさ、この学校からがほとんどらしいよ。やばいよね。」



「そういえばさー、ここの会長の噂聞いたことある?」
「え~、なにそれなにそれー。」





はぁ。本当に困ったものだわ。

1年生が早くも中間テストで去年を下回ってるじゃない。

こんなんじゃ、我が校のレベルが落ちるのも時間の問題ね。

「ちょっと、高田さん。悪いんですけど、その資料を全部コピーして、データを中井くんのパソコンへ移動しておいていただけます?」

「えっ?あっはい!分かりました。」

えっと、後は緋凪町(ヒナギ)の歩行者安全運動と、校門の風紀活動ね。そして...

「会長。まだそんなに気を張らなくてもいいんじゃないか。生徒はこれから伸びていくんだから。」

「椎田先生。」

椎田透先生。数学の教諭である。

銀ぶち眼鏡と少し赤茶色な髪色。

そして理科の教諭でもないのに、いつも白衣を身につけている。

いつも少し変わった物の見方をする人だ。

「そんなこと言っていたら全く生徒たちは活性化しませんよ。もっと先を見据えて計画をたてていかないと。」

「あいかわらず硬いな。会長は。こっちがまいっちゃうよ。」

私は藤堂シオリ。

私立星空学園2年、この校の生徒会長。

性格はよく硬い、クール、冷淡って言われています。

自分ではいたって普通なつもりだけれどね。

家族は母と父とお兄ちゃ...じゃなくて大学生の兄とメス猫のシャロルの5人暮らし。

父はとある企業の社長で、兄はT大学の方で宇宙物理学とか専攻してます。

こんな感じでごくごく普通の家族でごくごく普通の私なんだけれど、(全然普通じゃねぇよ!! by椎田透)なんだか今年はなにもかもが普通じゃない気がするの。

もちろん悪い意味でも、良い意味でもね!それで...

ああもう、長々とした紹介とか挨拶とかいいから、さっさと次いこうぜ!

ちょっと、椎田先生!!