末っ子

心の中で、

『桐原先生なら、直ぐに気づいて声を掛けてくれるのに』

と呟いた。

中2の頃の教室は2階にあり、私は階段を下りるとき

頭痛が酷くてその場で倒れてしまうと思ったが、

何とかこらえ、階段を全て下り、平坦な真っ直ぐとした

廊下を一人、進んだ。

流石に1校時目に不良は、登校していないのか、

すれ違うことはなかった。