「…そうだけど」


「やーっぱり！フランクフルト好きな幼なじみ！」


「なんっ…「ちょっと！マサいいから！」



俺の言葉を遮るようにマサの腕を掴む紗奈。



紗奈がマサってやつの腕を掴んでるだけで俺にフツフツとした感情が沸いてくる。



「紗奈」



「え？竜二？」



紗奈は目を丸くして俺をみてる。



「あ…ごめん」



俺はいつの間にか紗奈を自分の方へ引っ張っていた。


紗奈が俺の名前を発して初めて自分のしたことに気づく。



「ううん。これフランクフルトの券…」


「ありがとう」



券を手にしたときにふと目に止まった紗奈のカバン。



「…え？」



口にせずにはいられなかった。



「竜二？」


「紗奈、お前…」



俺が目にしたものそれは紗奈のカバンについてるマタニティマークだった。
やしなもつけてるしすぐにわかった。



「どういうこと？」



俺は紗奈にカバンについてるマタニティマークを見せる。