【完】僕達のレンアイ事情

「浮気はしないって誓うよ」


「ならいいよ。あたしが竜二のこと好きだから」


「…ありがとう」



俺だって好きになってるはずではあるんだけどな。
完全に好きって言えなくて申し訳なく思う。



「おかしいなー」


「ん？」


「あたしより竜二のほうが先にあたしを好きになるはずだったのに」



なんて〝うーん〟とか本気で考えてる紗奈はほんとに可愛く思える。



「俺もそうだと思ってたよ。だいたい今までにお前が俺のこと好きだったことあんの？」


「…ないかもしれない」


「だよな。俺は少なくとも小学生まではお前のこと好きだったぞ」



初めて告げるこの思い。



「え！？」



案の定びっくりした顔をしてる。



「ふふ。お前は丈が好きだったけどな」


「あー。うん」


「中学入学してすぐやしなが好きになったのにそのやしなまで丈が好きになるんだぜ？」



俺はお手上げポーズをする。