【完】僕達のレンアイ事情

「へー!サプライズか!」


「そうそう。でも俺のせいでバレたって怒られた」



俺は〝ははっ〟て笑う。



「ねぇ、やしなちゃんのことやっぱり好きでしょ?」



紗奈が俺の頬を手で掴む。



「あー、あんだけ好きだったからね。簡単には好きじゃないとはならないかな」



これは嘘偽りないいまの俺の気持ち。



「あたしはね丈くんのことも祐希のことももう全然好きじゃないよ」


「さすが女の子。ほら、女の子は上書き保存だっけ?」


「なんか言うよね。男の子は名前を付けて保存でしょ?」


「そうそれ。俺いつまでも未練たらたらなんだよなー。やしなのこと」



〝俺が忘れさせてやる〟なんて言ったけど。
そんなのも必要なかったかもしれないな。
俺はいつになったら完全に忘れられるのかな。



「まぁ、別に完全に忘れらる必要ないんじゃない?」


「そう?」


「心の中にいてもあたしは大丈夫だよ。浮気とかしなければ」



俺は今までいろんな女の子と付き合ってきたし、真面目に付き合ってこなかったけど浮気だけは一切してこなかった。
それをしたら人間として終わりだと思ったから。