【完】僕達のレンアイ事情

━━ガチャッ



車のドアを開けてやしなが出る。



「やしな待てよ」



俺はチャイルドシートから悠人くんを抱き上げて車を降りる。


正直、やしながこんなに強くなってるとは思わなかった。
前のやしななら絶対にここから出てはいかなかったし。



「なにしてんの?」



やしなが丈と千夏ちゃんのテーブルまで行く。



「やしな!?」



丈は飲んでいた飲み物を吹き出してる。



「汚いし」



やしなが丈にティッシュを投げる。



ふたりのやり取りも以前見ていたものとはまるで違っていた。



「いや、これは違って…」


「なにが?」


「てか、なんで神谷に悠人抱かせてんだよ」



丈が俺の所まで歩いてきて悠人くんを奪う。



「あんたに悠人抱く権利いまないけど?」



今度はやしなが悠人くんを奪う。



「だーから、これは別に浮気とかじゃなくてさ」



やしなの肩を掴む。