【完】僕達のレンアイ事情

「やしな」



公園の子供用ブランコで悠人くんを遊ばせてるやしなに声をかける。



「神谷くん。ごめんね、休みなのに」


「ううん。って誘ったの俺じゃん」



ブランコに乗る悠人くんの頭を撫でる。



「今日は悠人連れてドライブに行く約束してたんだけどなー」



やしなが表情を歪める。



「約束破ったってこと?」


「うーん。なんか忘れてたのかな。多分」



はぁっとため息をつく。



「忘れてた、か…」



大事なやしなと悠人くんとの約束忘れてまで大事なことがあるのかよ。

千夏ちゃんと本当にいるのかな。


俺はこの前の合コンで交換した、千夏ちゃんのLINEを表示させる。



「ちょっと電話してくるね」



やしなに断って、その場を離れる。



『えっと、竜二くん…?』



スマホの中から千夏ちゃんであろう声がきこえる?



「千夏ちゃ…『え、神谷?』」



俺の言葉を遮るように、千夏ちゃんの背後からであろう丈の声がきこえる。