【完】僕達のレンアイ事情

「紗奈、お茶」



テーブルの上にお茶を置く。



「ありがとう」



窓を見ていた紗奈がこちらに視線をずらす。



「お前さ、ほんとに俺でいいの?」


「え?」


「付き合うって話。俺はお前と付き合うならいままでみたいに中途半端にはできないと思ってる」



いままでは適当に〝ちょっと違った〟って別れてた。
でも、紗奈は違う。

もちろんやしなと似ていないし、そういう部分で付き合ってるわけとも違う。
でも、昔から知ってる紗奈だからやっぱり大事だから。
その辺の子達とは全然違うものがある。


「正直、1人でいるのが辛くて竜二に言ったってのはある」


「だろうな」


「でも、誰でもよかったわけじゃないよ」



紗奈の言葉に少し嬉しくなる自分がいる。



「まぁ、それならゆっくり俺ららしくやってくか?」


「うん」


「俺、なんもしねぇから」


「え?」


「別にしたいと思わないから」



したいと思わないってのは正直嘘だけど。
でも、ぶっちゃけこんなに近すぎた存在の紗奈と
今更色々するのは気恥しいってのはある。