「お疲れ様、樋口さん」

「お疲れ様です」


瀬名さんの言葉に、あたしは挨拶を返す。


「とりあえず、座りましょ」


まゆちゃんは、あたしのことを無理矢理席に座らせた。

目の前には瀬名さんと見たことあるが、名前のわからない男の人が座る。


「ちょっと、まゆちゃん?」


あたしは彼らに聞こえないように後ろを向き、まゆちゃんに話しかける。


「これ、どういうこと?」

「簡単に言えば、お食事会です」

「相談は?」

「ないです」


満面の笑みで答えるまゆちゃんに、あたしは小さなため息を零した。


「2人とも、何飲む?」


瀬名さんが、メニューを見せながら尋ねる。