でも、今日のあたしは諦めない。


「今日、何の日か知ってる?」

「飲み会」


違う!

違わないけど、あたしが聞いてるのはそれじゃない。

始めの頃は、毎月記念日を祝っていた。

でも2年記念日の時、お互いに都合が合わなくて祝えなかった。

それから、1度も祝ったことはない。

でも、あたしはちゃんと覚えてた。

毎年毎年スケジュール帳にメモし、1人で虚しく祝っていた。

そんなあたしを、充は知らない。

どんな気持ちだったかなんて、もっと充は知らない。


「もう良い」

「おい」


あたしは充を無視して、歩き出す。


「おい」


そう言い、充はあたしの腕を掴む。