「そういえば、今日だっけ?」

「え?・・・あ、うん」


元々口数が少ない充の言葉を理解するのに、今でも少し時間がかかる。


「充も行くの?」

「未定」


未定なんだ。


「麗香(れいか)は?」

「行くよ。もう少しで、出るところ」


あたしの返事に、充は面白くなさそうな顔をする。


「行くんだ」

「あ、うん。友也(ともや)や瑞樹(みずき)が絶対来いって、うるさいから」


あたしは2人のことを思い出し、笑いながら答える。

それに、充が更に面白くなさそうな顔をする。


「相変わらず、仲良いんだ」

「うん。みんなと会うの久々だし、楽しみ。あ、そろそろ出ないと」


時間を確認し、あたしは自分の鞄に手を伸ばす。