翌日から私は笑顔でいることにした。 台所へ行くとパンの焼けた匂い。 『おはよう!あ〜お腹空いた!』 私は両手を広げ、母が抱き着いてくるのを待った。 母はちゃんと抱きしめてくれた。 後から来た父も、おじいちゃんも、おばあちゃんも、アイも。 今までアイ以外とは、抱き合ったことがなかった。 今、こうして抱き合っていると、暗闇なんてない。 朝日が差し込んでくるような、そんな気持ちになれる。