ギュッ──
「な、何してるんだよ!?」
ちび太は泣き続ける私を、優しく力強く抱き寄せた。
思わぬ出来事に、私の涙は引っ込んだ。
「は、離せよ!」
ちび太のくせに、私の体をすっぽりと包み込み、いくら引き剥がそうとしても逃れられない。
「ごめんね…」
ちび太は更に抱きしめる力を強くし、耳元で呟いた。
ちび太は悪くないのに、なんで私はお前に謝られているんだろう。
「……悪いのは私だから、お前が謝るなよ」
昔は私の方が力が強かったのに、今じゃ全く適わない。
体格の差は、数年で全く違う物になるんだ。
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