それから更に1時間経過。

窓の外はすでに薄暗い。



あんななよなよしたヤツが、この時間まで1人とか危なすぎるだろ。



大して力も無いし、拉致られるんじゃ!?



「チッ、てかマジで早く帰って来いよ!」



舌打ちしながら仁王立ちで玄関前で構えて待つ姿は、クラスメイトが見れば悲鳴が上がるに違いない。



「あぁーーマジで遅い。ふざけんじゃねぇよ」



スマホの画面を何度も確認するが、アイツからのラインの返信は未だに来ない。



『いつ帰ってくんの?』



って送った文章には、そもそも既読が付く気配がない。