「ま、しゃーねぇな。せっかくだし、本借りてくか」
武藤君はそう言って図書室を見回す。
そうそう、本借りて大人しく帰って。
「知的な大誠もいいね~!」
「本持って眼鏡とかも最高じゃん!」
うぉ、武藤君が喋るごとに、それに対する女子の返事がうるさい。
まず、図書室でそのテンションは止めて。
他の自習生や読書をしている人のことを考え、注意をしようかと雪が勇気を出した、その時だった。
ひときわ大きな物音が聞こえた。
そして、ドサドサドサと本棚から落ちる本。
どうやら、少し目を外した間に、彼らが何かしでかしたようだ。
あまりの惨状に室内の人々が固まる中、雪はスッと立ち上がり、本を元の位置へ戻していく。
「………図書室では静かにお願いします。できないならば退室して下さい」
静かな怒りを感じさせるその声に、流石の女子らも一瞬息を呑む。
しかし、すぐに慌てて言い訳をして、自分は悪くないと言い合う。
「てゆうか、そんな言い方ないじゃん。出ていくかどうかは私達の自由だし」
反省が見られない彼女達に、今まで成り行きを黙って見ていた大誠が声をかける。
