「おーい、聞いてるか和白?」
…………何なんだろう。最近やたら絡まれる。
後ろの席の武藤くんに。
「あ、そうだ。図書委員の当番さ、いつもお前のが担当多いだろ?その分アンケートとか俺がとるから」
……それは正直有難い。ぜひともお願いしよう。
「ありがとう。武藤君に任せる」
私が話を即座に終わらせても、彼はめげない。
「お前さ、何でそんな分厚い眼鏡なの?」
「近視と乱視がひどいから」
なぜ、私が律儀に返答しているか。
それは、周りの目線による。
無視をしていると、すぐにコソコソと後ろ指を指され、ありもしない噂をたてられるのだ。
女子からして、憧れ?のイケメン君と芋女が話しているなど、許されるのかと疑問に思った。
が、どうやら私ならば、自分達とは同じ土俵にすら立っていないと考えているらしい。
そして、私に対する興味も何となく感じる。
普段話さない人が話していたら、そりゃあ気になるよね。