1ヶ月も遅れて来たというのに、彼のコミュ力は凄まじいものだった。




初日にまず、その容姿で女子の心を掴み、巧みな話術で男子をも引き付けた。




…凄い。単純にそう思えた。




が、今となってはいい迷惑である。




もちろん、彼と果てしなく離れた席だったなら、何の文句もない。




神様、真後ろはないでしょうよ。




彼を狙う女子とぜひとも席替えをお願いしたい。
しかし、それは担任によって却下された。




次の席替えは早くて2ヶ月後くらいだそうだ。



…耐えるんだ、雪!私なら出来る!
ひたすら、沈黙を保つ。



そうすれば、話しかける人もいないはずだから。