『弄くり決定敲』

○これ、1882biteです。でも半角一文字でも加えると感想ノートにUP出来ないんですよね~。

○でも違う文だとこれ以上でもUP出来たりする。

もしかすると改行とかスペースのカウントがHTMLの関係から4biteに数えられてしまうのかも知れません。

暇な人、若しくは解答を知っている人、ダイに本当のところを教えて下さい←自分で調べろや

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その時、寝静まった夜を切り裂いて電話が鳴り響いた。

夢の中から現実に引き摺り出された不快感は、動悸を伴って正しい判断力を奪う。

枕元に置いた目覚まし時計を蹴飛ばしながら、ふらふらと電話の有るリビングへと向かい、やっとの事で受話器を手にしていた。

「……だからお爺ちゃんがどうしたのっ?」

電話は母からで、本当は聞かなくても解っていた。祖父は癌を患い、もう長い間入退院を繰り返していたようだ。今回の発作で「覚悟しておいて下さい」と告げられていたらしい事も知っていた。

こんなおぼろ気な言い回ししか出来ないのは、まだ私が大学生だった頃に勃発した父と祖母との確執から、すっかり母方の親戚縁者とは疎遠になってしまったから。

私はタクシーを呼び、車で10分程の実家に向かう。

そこからまた更に1時間、母の生家に着いたのは夜中の2時少し前。

「何で親の死に目にも会わせてくれないのよ!」

実家の玄関で開口一番母が叫ぶ。返事の代わりに顔を出した叔父は「敷居をまたげただけでも幸せだと思えよ」と吐き捨てるように言った。

あんな事になる前は、親族の中でも私を一番に可愛がってくれた祖父。私だけでもこっそり会いに来ていれば、この問題も軟化していたかも知れない。

私は床の間に寝かされている祖父を見付けた。

「お爺ちゃんごめんね?

もっと早く来るつもりだったのに。

私ね、赤ちゃんが出来たんだよ?

8月には、お爺ちゃんをひいお爺ちゃんにしてあげられるんだよ?

だから癌なんかに負けないで頑張ってねって伝えたかったのに!

どうしてそれ迄待っててくれなかったの?」

食堂からはまだ母と叔父のいがみ合う声が聞こえて来る。

「お爺ちゃんが死んじゃってるっていうのに嫌ね。

長い間来れなかったけど、お爺ちゃんの事はずっと大好きだったんだよ?

はい、好物のタイヤキ」

枕元に道すがら買い求めたそれを置き、冷たくなってしまった祖父の手を握り、その頬を撫でた。すると一瞬辺りが静まり返り、祖父の肌が薄ボンヤリと光る。

そして

「ニヤリ」

祖父は幸せそうに微笑んだ。

「ふふふ、おじいちゃんってばお茶目」

時計の針は丁度2時を指している。丑三つ時だった。



《おしまい》
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