「そなたの望みだけに参上したのじゃよ。」
黒き魔女はギラリとした金色の歯を見せた。
「本当に、望みを叶えてくれるのか?」
気が付けば、勝手に口が動いていた。
はっとし、手で口を覆う。
「なあに、とって食べやせんよ。」
黒き魔女は骨と皮だけの手を王妃に向け、何か呪文らしきものを唱えた。
「な、何をしているの!!」
王妃は慌てふためいていたが、黒き魔女は落ち着いた声で「そなたの望みはフローラ姫の美しさを呪うことじゃな。」と告げた。
「今のは、ちょいとお前さんのこころの望みを覗いただけじゃよ。安心せい。」
王妃は黒き魔女の前から動けなかった。
いや、動かなった。
黒き魔女は本当に私の望みを叶えてくれるかもしれない、と思っていた。
「姫さんの美しさを欠如させることは簡単なことじゃ。」
「それじゃあ!」
「しかし、それではつまらん。」
黒き魔女は手を顎に添え、考え出した。

