「無礼者とはなんじゃ。そなたが私を呼んだのだろう?」
「よ、呼んでなんかっ。」
暗闇の中、何かが動いた気がした。
「そなたが呼んだんじゃろ?叶えたい望みがあると。」
「っ!!!」
暗闇に光る眼が二つ。
「あなたは誰!?」
「私か、私は黒き魔女じゃよ。そなたの望みのために参上したのじゃよ。」
黒き魔女?あなたが?
“黒き魔女”その名は聞いたことがあった。
童話の中で出てくる、魔法使い。
その魔女はなんでも願いをかなえてくれる。
しかし、願いをかなえると引き換えに、願った人の何かを奪っていく。
だから、黒き魔女に会っても何も願ってはいけないと。
そう、言い聞かされた童話のはなし。
「あなたが黒き魔女?」
「そういっておるじゃろうに。」
厚い雲が風で運ばれ、月明りが王妃の部屋を再び照らす。
黒き魔女は、深い緑の目、高い鼻、白髪を漆黒のマント隠していた。
その容姿から、本当に魔女なのだと思わせるようであった。

