「なぜだか最近、お母さまの態度が冷たい気がするのよね。」
自室にて、バルーナに金色の髪を梳かしてもらっているときに、ため息交じりに呟いた。
-た、助けてください-
あの日、ラオンが必死に助けを求めてきた。
その様子から、尋常ではないことを察した。
王妃が、姫の命を狙っているかもしれない。
今、この子に伝えたらいったいどうなるのか。
バルーナという姫の声で現実に戻った。
「バルーナ、どうしたのです?さっきからずっと黙ってしまって…。」
「い、いいえ。姫様の髪に見とれていただけですよ。」
止まっていた、手を動かし、姫の髪を梳いていく。
「王妃様はお疲れなのですよ。」
「そうね。そうかもしれないわね。」
鏡越しに姫と目が合った。
姫の空色に見つめられると、自分の心を見透かされてしまうのではないかと思う。
「バルーナ、あなたは嘘が下手ね。」
「えっ?」
突然の言葉に櫛を床に落としてしまった。

