しかし、私は未だに家族に向ける愛しか知らない。


人を愛することとは、どんなことだろうか。


そんなことを考えている、普通の女の子だ。


バルーナとの会話は時間を忘れるほど楽しかった。



人への愛し方はまだよくわからないけれど、笑っていようと決めた。



だから、一国の姫としていつも笑っていようと心に決めた。






-姫様!!-

んっ、なんだ。こんな真夜中に…
重たい瞼をこする。


-姫様!!起きてください、王妃が………-




亡くなりました。









愛する人を亡くす痛みは、胸が張り裂けそうなほどであった。