浩大と玖美は来たのに、千紗はついて来ていなかった。
 帰ったのか…と焦って道を戻ると、ぼんやりした顔のままの千紗は途中の道で突っ立ってた。

 思わず抱きしめるとハッと意識を取り戻したのが分かった。

 ダメだ………。
 まだ今はまだ抱きしめちゃダメなのに。
 思わず…………。

 離したくない千紗から手を離すと前を歩く。

 ごめん………。本当にごめん。千紗……。