「嫌じゃなかったら、もうちょっとだけしたい。」

 もうちょっとなんて言ってられない。
 千紗が全部欲しいよ。

 抑えられない思いはどんどん大きくなって、止めることができない。

 さっき乱暴に触ってしまった体にそっと触れる。
 確かめるように触れる千紗の体はどこもかもが柔らかくて愛おしくて………。

 ギュッとしがみついている千紗が震え始めた。
 そっか。さすがにこれ以上は怖いよな。

「ごめん。ちょっと暴走し過ぎて。
 もう怖いことはしないから。」

「ううん。怖いわけじゃ……。」

 ダメだ。千紗は……。

「馬鹿。じゃあなんで震えてるんだよ。
 無理させた。ごめん。」

 震えてる体をギュッと抱きしめる。
 華奢で小さくて……。
 無理させちゃダメだろ。
 俺、しっかりしろよ。

「………謝らないで。
 あの、本当に嫌じゃなかったよ。」

 千紗………。

「うん。ありがと。
 でもそれ以上、言っちゃダメ。
 本気で止められなくなるから。」

 頭をゴチンと当てると「イテテ」って笑う千紗。
 腕の中にいる千紗が愛おしくて、本当は全部を自分のものにしてしまいたかった。

 自分の本当の姿を知って幻滅される前に、千紗を自分に溺れさせて離れられないように………。

 卑怯でもなんでもいい。
 俺はもう千紗を失いたくない。