「ごめん。本当、止まれないかも。
 しても……いいの?」

 うわぁすごいこと聞かれてる。
 って自覚はあるのに、裕のキスに溺れてしまって返事ができない。

 不意に唇を離した裕が耳元で「好きだよ」ってささやいて、キュッと胸が痛くなる。
「私も」って言葉は口に出せずに裕が触れさせた唇が首元を優しくなぞって「んっ」って恥ずかしい声に変わってしまう。

「ま、ま、待って……。
 あの…………恥ずかしい……。」

「嫌?」

 じっと見つめる裕の瞳が色っぽく熱を帯びていて、こっちも熱に浮かされる。
 ううん。どっちの熱か分からない。

 でもその質問はずるいよ……。

「嫌じゃないよ。
 でも裕が触れるところが……熱くて、なんか自分じゃないみたいで怖い。」

 ギュッとしがみつくと、裕が頭を優しく撫でてくれる。

「でも千紗、可愛いよ。
 嫌じゃなかったら、もうちょっとだけしたい。」

 また唇を重ねられ、深くて優しいキスにゾクッとしてしまう千紗はギュッと裕にしがみついた。