「私も。裕のこと大好き。
　さすがにこれは浮気…だよね………。
　私も悪い女だ。」

　いたずらっぽく笑う千紗が可愛くて、そっと顔を近づける。
　ゆっくり今度こそは大切に優しく触れた唇は柔らかくて胸の奥をギュッと締めつけた。

「……へへっ。今は裕のままだね。」

　恥ずかしそうにそう言って笑う千紗が堪らなくてもう一度、唇を重ねる。

「俺のままって、何？」

　話すのが惜しいほどに重ねる唇の隙間から質問すると「きゅぅ」って鳴いた千紗の頭が胸に落ちてきた。

「あの……恥ずかしい…………。
　こんなキス…。」

　可愛くて頬に手を添えて自分の方へ向かせると真っ赤な顔の千紗がそっと目を閉じた。

　その無防備な姿は裕一の胸をギュッと締めつけると、もう一度……もう一度…と重ね合わせた。

「……嫌？」

「嫌…………じゃない。
　ってこの質問ずるいよ……。」

　話したいのに、唇を重ねたい衝動の方が強くて抗えない。

「ごめん。本当、止まれないかも。
　しても……いいの？」