嫌じゃなかったなんて、自分でもビックリする言葉。
 確かに怖かった。裕じゃないみたいで。

 でも今は裕とこのまま離れちゃう方が怖い。

「そんなこと言うなんて……。
 そうなってもいいってこと?
 今度は止められる自信ないよ?」

 ドキッとするセリフだけど、眉尻を下げた裕はどこかに消えてしまいそうで抱きしめてあげないと無くなってしまいそうだった。

「あの……裕のままだったら……いい。」

「………何それ?」

 ふわっと笑った裕。
 柔らかくて優しくて。

「やっといつもの裕だ。」

 そう言ったら、ふにゃっと顔が崩れて肩に顔をうずめられた。

「千紗……大好き。」

 胸がキュンと鳴いて、裕にしがみついた。

「私も。裕のこと大好き。
 さすがにこれは浮気…だよね………。
 私も悪い女だ。」