来てくれた裕はどこか様子がおかしくて、目を合わせてくれなかった。

 そういえば真っ直ぐ見てくれる目を最初から離せなかった。
 それなのに今はその目を合わせてくれない。

 心配をしていると千紗の体がふわっと宙を舞って思わず悲鳴が漏れた。
 その千紗の唇の自由が奪われる。

 乱暴に何度も重ねられた後、体に触れようとしているのが分かった。

 どうしちゃったの?裕………。

 少しすると強引に触れていた手は離れていく。
 目に映ったのは、震えていた手。

 あの優しくて大きな綺麗な手が震えていた。

 思わずその手をつかむと離しちゃいけないと思ってしまった。