もう返事はないよな。
 俺も寝よう。

 ベッドに入り目を閉じる。
 浮かんで来るのは千紗の照れて真っ赤な顔。

 ハハッ。
 そもそも千紗に会いにカフェへ行ったのは暇つぶしのつもりだったのにな。

 メールであんなこと送るほどに俺は……。

 枕元に置いた携帯の画面が明るくなった。
 おやすみモードに変えた携帯はメールの着信を知らせてはくれない。

 それでも携帯を気にしていた自分に嘲笑してから携帯を手に取った。

 律儀な千紗があれにどうやって返事をするんだ?
 それとも千紗からじゃないのか……。

 浮き沈みする気持ちを抱えメールを確認すると千紗からだった。
 高鳴る鼓動に苦笑しながらメールを開く。

『私も裕のこと好きです。』

 思わずガバッと起き上がる。
 そして携帯をつかんで部屋から飛び出した。

 メールには続きがあった。

『これは浮気になっちゃいますか?
 でも……裕に会いたいです。
 土曜、明日だね。
 楽しみにしてるね。』