一度メールが来てから
どのタイミングでメールってしなくなるんだっけ?
 って悩むほどにメールが続く。

 たわいもないメールなのにどことなく嬉しい。

 裕はイメージと違ってマメみたいだ。

『千紗はメールの返信早過ぎ!
 それ都合のいい女だぞ。』

 こんなメールにドキリとする。
 でも………。

『裕だってすぐメールくれるよ?』

 するといつも以上に早い返信が来て、笑えてしまう。
 開いたメールに思わず笑みがこぼれた。

『俺は甘やかす側だからいいの!
 千紗は返事できない時はわざわざ「もう寝るから返事できません」って来るしさ。』

 裕はいいなんて、やっぱり理不尽なのに、心はほっこり温かくなる。

 何気なくスクロールすると下の方にまだ続きがあった。

『まぁその律儀な感じが千紗らしくて俺は好きだよ。』

 えっ………えぇ?
 ぶわっと顔が赤くなる。

 何度も何度もメールを読み返してもメールの文章は確かにそう書かれている。

 ふ、不意打ち!
 好きとか………好きとか!!

 でも………これも甘やかし講習の一部なのかなぁ。
 ふと思い浮かんだ考えに喜んでいた気持ちは急激にしぼんでいく。

 どうやって返事をしていいのか悩んでいると、手の中の携帯がブーッと音を立てビクッとする。

 裕からのメールだ。

 からかっただけ。
 ってメール送ってくれたのかな。
 私が動揺してるって気づいて……。
 
 そんなことを思ってメールを開いた。

『甘え講習の一環ではあるけど……。』

 あぁ。やっぱり。

 そう思ったのは、ほんの一瞬だけ。
 続きの内容に思わず携帯を落としそうになった。

『可愛くて千紗のこと好きなのは本当。』

 な…………。

『また赤い顔してるんだろうな。
 会った時に言えば良かった。
 もう今日は返事いらないから寝ろよ。
 おやすみ。』