千紗らしい返事。
 一言だけ。

『同じ気持ちです。』

 ハハッ。なんだよ。
 俺は長いの送ったのに。

 こんなのご機嫌取りか、はたまたとりあえずそう言っとけ!って送ったとも思えるメールだ。

 素直に喜べない裕一は、自分の送った内容を確認しようとスクロールして気づいた。
 まだメールは続いていた。

『お邪魔しまーすは私もしたいです。
 裕は温かくて私は自然体でいられる気がします。
 不思議な人ですね。』

 ったく。なんだよ。
 文章カチコチだぞ。

 文句ばかり浮かぶのに口元は柔らかく緩んでしまう。
 急いで返事を送った。

『まぁ合格かな。
 ほっぺにチューもするから覚悟しとけよ。』

 もう昼休みも終わる。
 返事はないだろうな。

 そう思っていた裕の携帯がブーッブーッとまた音を立てた。

 内容を確認して目を丸くする。

『お昼休み終わっちゃうのでもう返事は書けません!
 私はアメリカ人ではありません。』

 プッ。あははっ。
 なんだよ。これ。

 声を出して笑えばすれ違う人に怪訝そうにジロジロ見られる。
 それさえも気にしてられない。

「仁木がそんなに笑うなんて珍しいな。」

 前から歩いてきた人にまでつっこまれる始末。

 でも。うん。やっぱり千紗って可愛い。