千紗と会わずに2日が過ぎた。
 忙しい日々を過ごしているのに、ふと気づけば千紗のことを考える。

 手元に置いておきたいペット的な存在だよな。
 触れ合うと癒されるっていうさ。

 携帯を見ても向こうからは何も連絡がない。
 まぁ千紗は連絡出来なさそうだけど。

 甘やかす…かぁ。
 ってことは俺からメールするべきだよな。

『千紗が可愛くてすぐに会いたくなる。
 千紗は違うのか?』

 ………書いてみて、キモッとつぶやく。

『千紗からメールないぞ。
 甘え講習だろ。
 可愛く『会いたい』ってメールして来いよ。』

 こんなもんかな。
 でも…な。

 もう一度、書き直して送信ボタンを押した。

 千紗との関係に心が疼いた。


 
「ねぇ。どうしてメールの返事くれないの?」

 顔を上げれば玖美が仁王立ちしている。

「俺、忙しいし。
 会えないし連絡もできないって言ったろ。」

 玖美の方を見もせずにそれだけ言うと席を立つ。

「どこ行くのよ!」

「便所。」

 こんな奴といたいわけじゃない。
 心がザワザワして嫌な気分だった。

 その時、ブーッとポケットの携帯が騒いだ。

 手に取り、確認する。

「ハハッ。千紗らしいや。」